株式市場
ジャクソンホール会議でのパウエル議長の発言を好感し、8月23日の米国株式は、反発上昇しました。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5634.61 | 63.97 | 1.15% |
ダウ工業株30種 | 41175.08 | 462.30 | 1.14% |
ナスダック | 17877.79 | 258.44 | 1.47% |
S&P500は1%を超える上昇率。S&P500の主要な業種別指数は全て上げた。史上最高値である5667目前で推移しています。
小型株で構成されるラッセル2000指数は3.2%上昇した。
マグニフィセント・セブン銘柄のエヌビディア&テスラは4%以上上昇。
主要指数を牽引しました。
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債の状況
2年債利回りは4%を割り込んでいます。金利スワップ市場では年内100bpを超える利下げ幅が織り込まれている。
残る3回の会合で毎回利下げをし、そのうち1回は50bpの引き下げになるとの見方を示唆している。
債券市場では労働市場の悪化が懸念されているため、大規模な利下げを期待しているようです。
プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏は「パウエル議長は利下げサイクル開始の鐘を鳴らした」とコメント。
「議長は50bp利下げを事前にコミットしていない。ただ間違ってはいけない。労働市場が一段と鈍化の兆しを示したら、米金融当局は確信を持って引き下げるだろう」と述べてます。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.09% | -3.7 | -0.89% |
米10年債利回り | 3.80% | -5.3 | -1.38% |
米2年債利回り | 3.91% | -9.2 | -2.31% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場では、ドル指数が下落し、1月以来の安値となりました。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議で、「主要政策金利を引き下げる時が来た」と発言。9月利下げ開始に関してこれまでで最も明確なシグナルを送ったと、市場が受け止めた為。
ドル円は、1ドル=144円前半で取引を終えています。
原油先物
原油先物価格は続伸。「利下げの時が来た」とするパウエル議長の発言を受けてリスク選好ムードが広がる中、買いが優勢になりました。
WTI先物10月限は前日比1.82ドル(2.5%)高の1バレル=74.83ドルで取引を終えています。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在15.85。(前日は17.54)
パウエル議長の発言で利下げが示唆された為、低下しています。
強欲指数であるFear&Greed Indexは”中立”を指しています。
もう少しで”強欲”の位置に差し掛かりました。
まとめ
市場参加者の利下げ見通しは、9月は25bp(0.25%)の利下げを予想しています。その割合は約60%。
11月に50bp(0.5%)利下げを見込んでいるのは、47%となっています。
ここまでの2年間、インフレ退治のために続けてきた高金利政策の転換点がきています。
パウエル議長は、「インフレ率が(当局目標である)2%への持続的な道筋をたどっているという確信を深めた」と述べ、インフレ鈍化の面で最近進展が見られるとの認識をしました。
しかし、「労働市場環境の一段の冷え込みは望みも歓迎もしない」と述べ、労働市場の減速は「明白だ」とも付け加えました。
インフレ率が目標に近づくにつれ、労働市場にひび割れが生じ、「高金利が経済の継続的な力強さを脅かすのではないか」と一部の政策当局者は懸念しています。
FRB、パウエル議長の金融政策が、実体経済に対して後手に回る可能性も十分あります。実際、7月の雇用統計が期待外れな内容だったことで、市場に動揺が広がり株価暴落につながったのも記憶に新しいと思います。
その点には引き続きウォッチしていく必要があるでしょう。
兎にも角にも、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。