東京商工リサーチが今月8日に発表し「全国企業倒産状況」。
その調査結果によると、2024年度上期(4ー9月)の倒産件数は5095件と10年ぶりに5000件を突破。
負債総額は約1兆3800億円で、産業別で見ると倒産件数ともにサービス業が最多でした。
この要因は「ゼロゼロ融資」の返済が始まったこと、日銀の利上げによる「支払利息の増加」があります。
この現状は、少しの利上げでも融資の支払い不能に陥る「ゾンビ企業」がもっと増えていき、淘汰が加速しかねない状況になっています。
そもそも「ゾンビ企業」とは、
・業績不振で経営が破綻しているにもかかわらず、金融機関や政府などの支援によって市場に残っている企業
・営業利益だけでは借入金の利払いが困難な状況にある企業
などと定義されています。
国の補助金で食い繋ぎ、投資も人材採用もできず新規企業の誕生を阻害し、雇用の流動性を妨げている「ゾンビ企業」の存在は度々問題視されています。
しかし私はゾンビ企業の淘汰が進むことはむしろ好ましいことだと考えています。
実は東京商工リサーチによると、ゾンビ企業は日本の上場企業の14%を占めている、という調査結果もあります。
上場企業ですらゾンビ企業が蔓延っている酷い状況です。
生産性の低い企業は雇用や競争力を維持できず、買収や身売りもできず、利益を生み出すこともできません。
上場企業がその状態になっているのは論外ではないですか?そんな企業は最低限上場廃止まで持っていってくれないと、市場が活性化しません。
もちろん淘汰が進むことには痛みを伴うことも事実です。
会社が倒産すればそこで働いている従業員は解雇され、職を失い路頭に迷います。
別の企業、収益性や生産性がより高く、収支のバランスが良好な企業に転職できる可能性もありますが、全員が全員採用されるとは限りません。
東京商工リサーチ情報本部の原田三寛部長は「目指すのは倒産増加ではなく、債務の減少だ」と発言しているように、企業全てを倒産に追い込むのではなく、どの企業をどのように支援できるかを決めることが課題です。
少しでも日本が、より良い方向に向かっていくことを願うばかりです。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。