給料だけじゃ人は動かない。「名ばかり管理職」から脱却する会社組織の作り方
「昇進おめでとう!」
昔はそう言われて喜んでいたはずの「管理職」。
それが今、多くの会社で「誰もなりたがらない役職」になってしまっている。
「名ばかり管理職」って言葉が生まれたように、責任だけが増えて、権限も給料も伴わない。
おまけに、パワハラを恐れて部下に強く言えず、自分の業務も抱え込んで、気づけば残業代がつかない分、若手社員より給料が低い…なんてこともザラだ。
これじゃあ、まさに「罰ゲーム」だよな。
俺も昔、初めて部下を持ったとき、どう接したらいいか分からず、必要以上に気を使って疲弊した経験がある。
「なんで俺がこんなに大変なんだ…」って、正直何度も思った。
でも、この問題は「管理職が頑張れ」で解決する話じゃない。
今回は、多くの会社が直面している「管理職になり手不足」の根本原因と、それを解決するための具体的な方法を、俺なりに噛み砕いて解説していく。
現状に不満を抱えているなら、この記事を読んで、会社を変えるヒントにしてくれ。
【結論】「責任と権限のアンバランス」が問題の根源
結論から言うと、管理職が「罰ゲーム」に感じる原因は、「責任と権限のアンバランス」にある。
「責任は重いのに、自分の裁量で動けることがほとんどない」
この状況が、管理職のモチベーションを奪い、なり手がいなくなる最大の理由だ。
「部下の育成も俺の責任。でも研修予算は社長決済。部下の評価も俺の意見はほとんど通らない…」
これでは、ただの「伝書鳩」だ。
この構造を変えない限り、どんなに給料を上げても、根本的な解決にはならない。
なぜ「名ばかり管理職」が増えたのか?
これは、日本企業の構造的な問題に起因することが多い。
- パワハラ・働き方改革の波
- 部下を強く指導すれば「パワハラ」と受け取られかねない。
- 結果、業務を部下に任せるのが怖くなり、自分で抱え込んでしまう。
- 権限の集中
- 多くの経営者が、意思決定権を現場に委ねず、すべてを自分の元に集中させてしまう。
- これでは、管理職が自律的に動くことができず、組織の成長も止まる。
- 「一人前」の定義が曖昧
- 「部下の育成も管理職の仕事」と言いながら、会社として「一人前」の基準を言語化していない。
- 結果、管理職にばかり負担が集中し、現場のメンバーは育たない。
組織を健全化する2つの具体的な対策
では、この現状を打破するために、会社は何をすべきか?
1. 「責任」に見合う「権限」を与える
これは、管理職が「自分で考えて、自分で動く」ための土台作りだ。
具体的には、「予算執行権」や「人事権」をそれぞれの役職に持たせること。
例えば、「部下のスキルアップのために、予算内で外部研修を申し込む」といったことを、上司の承認なしにできるようにする。
こうすることで、管理職は自分のチームの課題を自律的に解決できるようになり、その役職に「やりがい」を感じるようになる。
経営者は、細かいことに口出しせず、大局的な判断に集中することができるようになる。
2. 「一人前の定義」を言語化し、会社全体で底上げする
管理職に「部下を育てろ」と言うだけでは、何も解決しない。
まずは会社として、「一人前のメンバーとは何か?」を明確に定義しよう。
知識、スキル、経験、そして心構えといった項目で「スキルマップ」を作成するんだ。
これがあれば、部下も「自分には何が足りないか」が明確になり、自律的な成長を促せる。
そして、スキルマップで明らかになった弱点に対しては、会社が積極的に研修の機会を提供していく。
パワハラを恐れて指導ができないなら、外部のプロ講師に頼るのも賢い選択だ。
外部の視点を入れることで、建設的なフィードバックが生まれ、社内の人間関係に余計な軋轢を生むこともなくなる。
まとめ:会社を変えるのは「仕組み」と「マインドセット」
「管理職になり手不足」は、もはや他人事じゃない。
あなたの会社も、そしてあなた自身も、この問題に直面する可能性がある。
給料を上げることも大切だが、それだけで人は動かない。
「責任と権限を明確にする」「一人前の基準を可視化する」
これらの「仕組み」を作り、管理職が「やらされ仕事」ではなく、「やりがいのある仕事」だと感じられるような環境を整えることが重要だ。
不満を抱えているだけでは、何も変わらない。
今いる場所の課題を客観的に見つめ、自分から行動を変えることで、未来は必ず切り拓ける。


