8月の米個人消費支出(PCE)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア価格指数が前月比ベースで市場予想を下回る伸びにとどまりました。
消費支出の伸びもわずかで、景気の減速感が示唆された形です。
- PCEコア価格指数は前月比0.1%上昇-市場予想0.2%上昇
- 7月は0.2%上昇
- 前年同月比では2.7%上昇-予想に一致
- PCE総合価格指数は前月比0.1%上昇-市場予想と一致
- 7月は0.2%上昇
- 前年同月比では2.2%上昇-予想2.3%上昇
CPIが正式発表されるまで正しいことは分かりませんが、足元の物価上昇率は2%水準に迫っていると言えます。
やはりFRBが注視しているように、今後の利下げを決定付ける注目ポイントは雇用状況ですね。
株式市場
27日の株式市場は中国が指針として、エヌビディア製ではなく国産の人工知能(AI)半導体を購入するよう指示したことで、エヌビディアの株価は下落。
S&P500とナスダックを共に押し下げる形となりました。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5738.17 | -7.20 | -0.13% |
ダウ工業株30 | 42313.00 | 137.89 | 0.33% |
ナスダック | 18119.59 | -70.70 | -0.39% |
各主要指数のチャートはこんな感じです。
S&P500
NYダウ平均
ナスダック
ラッセル2000
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債市場は、PCE経済統計が追加利下げ観測を強固にしたことと、イスラエルがベイルートのヒズボラ本部を爆撃したことを受け、リスクオフのセンチメントが広がりました。
そのため安全資産である国債が買われ、債券価格は上昇しました。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.10% | -2.7 | -0.65% |
米10年債利回り | 3.75% | -4.6 | -1.20% |
米2年債利回り | 3.56% | -6.9 | -1.92% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場は、1ドル=142円前半で取引を終えています。
これは米国市況がどうこうというか、自民党総裁選で石破茂氏が総裁になったことで円高&日本株安が進行したためです。
(もう〜石破さん!なんで総裁になってしまったの?…)
原油先物
ニューヨーク原油先物市場は反発。
イスラエル軍がレバノンのベイルート南部にある親イラン民兵組織ヒズボラ本部を攻撃したため、中東情勢が一段と緊迫し、買いが膨らんだため。
WTI先物は前日比51セント(0.8%)高の1バレル=68.18ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は反落しました。ここ数日連騰していたので調整が入った形です。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、26.80ドル(1%)安の1トロイオンス=2668.10ドルで取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在16.95。(前回は15.36)
強欲指数であるFear&Greed Indexは、”強欲”に位置しています。
ですが、極度の強欲に近いため兆候としては悪いです。市場は楽観的すぎることを表しています。
何かしらの悪材料が出たら、一気に相場が動く可能性が出てきています。
まとめ
今の米国市場参加者は”将来の利下げペース”に関心が移っています。
足元の物価は落ち着いてきていること&原油価格も下落基調であることから、インフレがぶり返す事態は今のところ想定しづらいです。
ですので、やはり投資家は労働市場に目を向けて今後の戦略を考える必要があります。
ただ雇用統計などのデータの信憑性が薄れている以上、どこまで信用して相場に乗って良いものか不安に思います。
ですが、FRBの利下げペースを予測する上で無視できない指標であるため、注目していきましょう!
そしてついに、11月の大統領選まで2ヶ月を切りました。その行く末によって米経済の未来が変わってくるでしょう。
※その前に経済データが更に悪化しようものなら、かなり状況としてはマズイですけどね…
日本は、正式に石破茂氏が次期総理大臣に決定しました。
(その結果、”石破ショック”がもたらされたわけですけど…)
この事実を踏まえた上で投資判断をしていきたいですね。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、最悪&最高のシナリオを考えて、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても暴落したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。