経済の中心アメリカの市況を定点観測していきます。株式、債券、原油、金などから、アメリカの状況を確認していきましょう!
株式市場
9日の米株式相場は主要3指数全て上昇しました。
S&P500は0.7%上昇し最高値更新(今年44回目)。ダウ平均も1.03%上昇でこちらも最高値更新。ナスダックは0.60%上昇となりました。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5792.04 | 40.91 | 0.71% |
ダウ工業株30 | 42512.00 | 431.63 | 1.03% |
ナスダック | 18291.62 | 108.70 | 0.60% |
個別銘柄では、エヌビディア(NVDA)が小幅に下落。5日連続で上昇していたため利確の動きがありました。
アップル(AAPL)は1.7%上昇。
アルファベット(GOOG)は1.59%下落。「ロボタクシー」発表イベントを控えるテスラ(TSLA)は1.4%下落となりました。
各主要指数のチャートはこんな感じです。
S&P500
NYダウ
ナスダック
ラッセル2000
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債は下落、利回りは上昇しました。特に10年債利回りは6bp=0.06%上昇しました。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.34% | 4.9 | 1.14% |
米10年債利回り | 4.07% | 6.1 | 1.51% |
米2年債利回り | 4.02% | 6.3 | 1.60% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場は、ドル買いが継続しさらに円安が進行しました。1ドル=149円前半で取引を終えています。
原油先物
ニューヨーク原油先物市場は続落。
世界最大の原油輸入国である中国の景気減速の動向が注目されています。
12日に発表される景気刺激策が中国経済を活性化させるのか?それによって原油需要が増加するのか?といった懸念材料があるため。
WTI先物は前日比33セント(0.4%)安の1バレル=73.24ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は6日連続で下落。市場が織り込んでいるほど大幅な利下げが行われない(利下げそのものが行われない)可能性が高まったため。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、9.40ドル(0.4%)安の1トロイオンス=2626ドルで取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在20.87。(前日は21.43)
強欲指数であるFear&Greed Indexは、”強欲”に位置してます。
市場参加者が株式に対してポジティブなセンチメントを持っていることが分かります。
まとめ
今日発表されるCPI(消費者物価指数)に注目が集まっています。
非農業部門雇用者数が(表面上)良い結果だったため、「労働市場は力強い」これが市場参加者の大方の見方です。
FRBがインフレ率よりも労働状況を重視することをアナウンスしていて、以前ほど重要視されていませんがCPIも注目要素の一つではあります。
CME FedWatchの市場参加者の金利見通しによると、”利下げが行われない”予想をしている割合が約20%もいます。(ちょっと前までは13.7%)
個人的な意見ですが、雇用統計の結果が鉛筆ナメナメしたものをここ最近発表していることを踏まえると、どこまで信用していいか斜に構えてしまいます。
そしてCPIは恐らく上昇率は落ち着いてはいるものの、それでもインフレ率は3%台、という結果になると思います。
この結果だと「これだとインフレ再燃するじゃん!😳」「利下げは間違いだったんだ!😨」こういう主張をする方が増えるでしょう。(実際今もいますし…)
とはいえCPIの結果次第では、利下げが行われないことも考慮する必要が出てきました。機動的な取引をする場合は戦略を見直した方が良いかも知れません。
中東情勢の先行き懸念や大統領選まで約1ヶ月となり、さらなる不透明感が漂う相場状況に突入していきます。
労働市場のデータは(あくまで表面上は)力強いものだったため、投資戦略の方向性が決めにくい現状です。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、最悪&最高のシナリオを考えて、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても暴落したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。