日本時間の29日朝方に発表されたエヌビディアの第二四半期決算。
発表された次の四半期の売上高見通しは、投資家を落胆させました。
売上高が前年同期比2・2倍の300億4000万ドル(約4・3兆円)、最終利益は2・7倍の165億9900万ドルと、どちらも過去最高でした。8-10月(第3四半期)の売上高見通しは325億ドル前後。もっとも期待値の高かった379億ドルに届かず、時間外取引で一時8%安となるなど、失望売りが入りました。
決して悪いとは言えない決算だったとしても、投資家の期待値が高ければ株価が下落する良い例です。
同社は新チップである「ブラックウェル」の生産上の問題に対処しています。製造の歩留まりを改善するために変更を加えていて、11-1月(第4四半期)に「数十億ドル」の売上高がもたらされる見込み、と発表。
とはいえ現時点で発売の目処が立っていないことや、改善が思いのほか伸びる可能性があることを考えると、AIブームの火付け役だったエヌビディアの先行きは怪しいと思います。
株式市場
8月27日の米国株市場は反落しました。
エヌビディアの決算は取引時間後に控えていた為、ボラティリティーが高まっていました。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5592.18 | -33.62 | -0.60% |
ダウ工業株30種 | 41091.42 | -159.08 | -0.39% |
ナスダック | 17556.03 | -198.79 | -1.12% |
S&P500は薄商いの中、急落した5日以来の大幅安となる場面もあったが、その後下げを縮めました。ナスダック100指数は1.2%下落で終えてます。
さらにエヌビディアだけでなく、サーバーメーカーのスーパー・マイクロ・コンピューターが、2024年度(6月30日終了)の年次報告書(フォーム10K)を適時に提出できないとの見通しを示したことが嫌気され、19%急落しています。
エヌビディアやスーパー・マイクロ・コンピューターの株価が下落したことを考えると、明日にはここからもう少し下落すると思います。
ただ、その押し目で買われて下げ幅としては限定的になるかもしれません。
ネガティブなニュースが目立つ中で、良いニュースもあります。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの時価総額が、初めて1兆ドルを超えました。
S&P500のチャートとしてはこのようになっています。
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債の状況
大きな材料を欠く中で、長期債を中心に小幅安の展開になっています。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.12% | 1.2 | 0.28% |
米10年債利回り | 3.83% | 1.3 | 0.35% |
米2年債利回り | 3.87% | -3.4 | -0.88% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが幅広く上昇。
ドル円は、1ドル=144円後半で取引を終えています。
原油先物
原油先物価格は続落。テクニカル指標や米国の在庫統計、リビアからの供給などが意識されたた模様。
WTI先物10月限は前日比1.01ドル(1.3%)安の1バレル=74.52ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は下落。外国為替市場でのドル上昇により、ドル建てで取引される金の割高感が意識された模様。
金先物12月限は、前日比15.10ドル(0.6%)安の1オンス=2537.80ドルで取引を終えた取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在17.10。(前日は15.42)
少しずつ上昇してきています。
強欲指数であるFear&Greed Indexは”中立”を指しています。
ここ数日あまり変化は見られないです。
まとめ
エヌビディアの決算は非常に良いものでした。ですが投資家の期待値が高すぎる今の状況においては「良い決算」ではなく「エクセレント(素晴らしい)決算」である必要があります。投資家やアナリストの予想を超え続けなければいけないのです。
これを続けていくのは正直辛くキツイものがあると思います。どこかで息切れを起こしてしまうことになります。その時が株価が下落するタイミングだと考えてます。
今後企業の決算が悪いものが出始めたり、スーパー・マイクロ・コンピューターのように報告書を提出できなかったりする企業が目立ち始めた時、投資家は警戒感を強めなければいけないと考えてます。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。