「うちの社員、全然育たなくてさ…」
経営者や管理職の人は、一度はこんな悩みを抱えたことがあるだろう。
この「育たない」って言葉、実はすごく厄介なんだ。なぜなら、その言葉が漠然としすぎていて、「何をもって育ったとするのか」が本人たちでもわかってないことがほとんどだから。
俺も昔、リーダーになったばかりの頃は、社員をどう育てればいいのかわからなくて、ただ「頑張れ」としか言えなかった。でも、それじゃあ誰も育たない。当然だ。
結論:社員の成長を「言語化」して「見える化」すれば、問題は半分以上解決する。
社員が育たないと嘆く前に、まずやるべきことはたった一つ。
「一人前の定義」を明確にすることだ。
「一人前」って、人によってイメージするものが全然違う。
「自分で営業に行けること」なのか?
「新人育成ができること」なのか?
「売上目標を達成できること」なのか?
この「一人前の定義」を、会社全体でしっかり言語化して共有することが、社員育成の第一歩なんだ。
「育たない」を解決する魔法のツール「スキルマップ」
一人前の定義を具体的にするための、超強力なツールが「スキルマップ」だ。
スキルマップは、業務に必要なスキルを書き出して、社員一人ひとりの習熟度を点数で評価するもの。
だいたい4点満点が多いかな。
- 1点:補助可能(やろうと思えばできる)
- 2点:補助を受けながら遂行可能
- 3点:単独で可能
- 4点:指導可能(他の人に教えられる)
このスキルマップを作ると、今まで漠然としていた「育ってない」が、「〇〇さんは、△△の業務スキルがまだ3点に達していない」という具体的な課題に変わる。
これによって、こんなメリットが生まれる。
- 強みと弱みが一目瞭然「この業務は苦手だけど、こっちのスキルはめちゃくちゃ高い!」なんて、意外な発見がある。
- 社員本人も納得感がある「何が足りないか」が明確になるから、本人も目標を立てやすくなる。
- 評価の基準がブレない幹部同士で評価をすり合わせることで、「みんなで育てよう」という文化が生まれる。
- 会社全体の弱みが見えてくるスキルマップの平均点を出せば、会社としてどの部分の教育を強化すべきかが見えてくる。
「スキルマップ」は使えない!と批判されたら?
「スキルマップなんて作っても、忙しくて評価する暇なんてないよ…」
「点数付けなんて、社員のモチベーション下がるだけじゃない?」
そんな批判的な声が聞こえてきそうだ。わかる、わかるよ。
でも、本当にそうか?
スキルマップは、一度作って終わりじゃない。
評価を継続的に行うことで、社員の成長をリアルタイムで追跡できる。
それに、評価を複数人で行えば、特定の誰かの主観的な意見に偏ることも防げる。
それに、評価をされる側だって、ただ「頑張れ」と言われるより、「このスキルを3点にしよう」という具体的な目標を与えられた方が、モチベーションが上がるもんだ。
「できない」と思われている社員が、実は他の分野でめちゃくちゃ優秀だったなんて発見もある。
その強みを活かせる仕事に集中させれば、本人のパフォーマンスも上がるし、会社の利益にも繋がる。
要は、社員を「育てる」という、コントロールしづらい領域で悩むんじゃなくて、「どう関わるか」という、自分がコントロールできる領域に注力するってことが大事なんだ。
まとめ:社員の成長は、会社全体の成長に繋がる。
「育たない」という悩みを放置すると、いつまで経っても生産性は上がらない。
できる人にばかり仕事が集中して、その人が疲弊して辞めてしまう、なんて最悪のケースだって起こりうる。
社員の成長は、会社全体の成長そのものだ。
スキルマップをうまく活用して、社員一人ひとりの強みを引き出し、苦手な部分をみんなで補い合える組織を作る。
それができれば、「社員が育たない」なんて悩みは、もう口から出てこなくなるはずだ。
P.S.
この記事を読んだ経営者や管理職の人は、今日からでもいいから、社員の「一人前の定義」を考えてみてほしい。
そして、その定義を元に、簡単なスキルマップを作って、試してみる。
「育たない」と悩むのは、もう終わりにしようぜ。