突然だけど、みんなの会社には「この人みたいになりたい!」って心から思える、尊敬する先輩はいる?
俺にはいる。「この人みたいになりたい!」って思える先輩経営者が。
彼は、当時から圧倒的な実績を出しながら、誰からも慕われる人柄で、俺にとって「理想のビジネスパーソン」だった。経営者であり、プレイングマネージャーな一面もあったんだ。
この間、久しぶりに話した時、先輩がポツリとこう言ったんだ。
「俺はな、ずっと『どうやって俺の右腕を見つけ、育て、そして会社を次のステージに引き上げてくれる人材に成長させるか』ってことばかり考えてきた」
そう言って、熱く語ってくれたのが、「中小企業が成長するために必要な、ナンバー2の育て方と選び方」の話だった。
今日は、その先輩から聞いた話を、みんなにもシェアしたいと思う。もしかしたら、これを読んでいる君が、未来の「ナンバー2」になるかもしれないから。
ナンバー2を育てる前に、リーダーがすべきこと
まず、先輩が最初にしてくれた話は、少し耳が痛いかもしれない。
「右腕を育てるって言うけど、そもそも、リーダー自身が尊敬されてなかったら、誰もついてこないだろ?」
先輩は、お金は給料として払えばいいけど、尊敬心は金じゃ買えないって力説してた。
じゃあ、どうすれば尊敬される存在になれるのか。先輩はこう教えてくれた。
1. 誰よりも行動し、誰よりも失敗しろ
先輩は、今でも新しいプロジェクトを始める時は、一番最初に動く。そして、誰よりも失敗する。
「失敗して『ちくしょう!』って悔しがったり、『いやー、マジでやっちまったなー!』って笑ったりしてる俺の姿を、みんなに見せるようにしてるんだ」
言葉で「頑張れ」って言うのは簡単。でも、背中で語るってのは、こういうことなんだって。リーダーが率先して動く姿を見て、初めて部下は「この人のためなら頑張ろう」って思える。
2. 努力が報われる「公正」な評価をしろ
先輩は「公平平等」と「公正公平」の違いを力説してた。
「みんな一律で同じ評価をする『公平平等』は、頑張ってる人間からしたら、ものすごく理不尽だ。だから、俺は『公正公平』な評価を目指してる」
努力した人間が報われ、成果を出した人間がきちんと評価される仕組みを徹底しているんだって。給料やボーナス、昇進は全て成果に応じて変える。
もちろん、最低限の福利厚生はみんなに提供する。でも、その上で「頑張ったやつには報いる」というルールを徹底することが、組織全体のモチベーションを高めることにつながるんだ。
3. 部下を「愛する」とは「一人前の人間」に育てること
「部下を愛するって言うと、なんか変に聞こえるだろ?でもな、俺が思う『愛』ってのは、部下を一人前の人間、つまり『一角の人間』に育てることなんだ」
先輩は、社員をただの「仕事をする人」じゃなく、一人ひとりの人生を豊かにするパートナーだと思ってる。
だから、部下が「こうなりたい!」って目標を持った時には、その目標達成のために、一緒にプランを立てて、達成したら一緒に喜んでやる。
これが、先輩の考える「愛」なんだって。
ナンバー2を見抜くための7つのチェックリスト
じゃあ、具体的に「この人だ!」っていうナンバー2候補をどうやって見つけ出すのか?
先輩が実践している、7つのチェックリストを教えてもらった。
- 「ナンバー2になりたい!」という強い願望があるか?
- 本人がそのポジションを欲しがっていなければ、どれだけ能力があってもダメ。面談の時に、必ず聞くようにしているそうだ。
- 実行力があるか?
- いくら頭が良くても、行動に移せなければ意味がない。「これやってみて」と言ったことを、すぐに実行に移せるか、そして失敗しても次の一手を打てるかを見極めている。
- 誠実な人柄と、仲間を大切にする心があるか?
- ナンバー2は、会社全体をまとめる役割。だから、社員から「この人のためなら一肌脱ごう」って思われる人柄が必須なんだ。
- シンプルな目標達成能力があるか?
- 複雑な課題を解く能力も大事だけど、それ以上に「与えられた目標を、シンプルに達成する」能力が重要だと先輩は語る。
- 会社の理念への深い理解とコミットメントがあるか?
- 会社のビジョンやミッションを、ただの綺麗事だと思っていないか。「この会社の事業を通じて、社会をこう変えたいんです!」と、本気で語れるかどうか。
- 自ら努力し、「対価の先払い」をしてきた実績があるか?
- 若いうちから誰よりも働いて、誰よりも勉強して、誰よりも実績を積んできた人間は強い。成功するまでに必要な「苦労」を、すでに経験しているからだ。
- 潜在能力は高いか?
- 最終的には「この人には、もっと大きなことができるはずだ」という確信が持てるかどうか。先輩は、潜在能力の高い上位2割の人材に重点的に指導することで、組織全体の成長を促している。
「でも、うちにはそんな優秀な人材いないし…」っていう反論
この話を先輩から聞いたとき、俺はこんな質問をぶつけてみた。
「先輩、でも、そもそもそんなに優秀な人って、世間の中小企業にはなかなかいないですよね?どうすればいいんですか?」
すると先輩は、少しニヤッと笑ってこう言った。
「ああ、それな。よく聞く話だよ。でもな、いないんじゃない。見つけられない、育てられない、そして信じることができないだけだ。」
先輩は続けた。
「もともと、誰もが『右腕』として生まれてくるわけじゃない。みんな、最初はただの『石』なんだ。その石を、リーダーという名の職人が、どうやって磨き上げていくか。それが、俺たちの仕事なんだよ」
この言葉を聞いたとき、俺は頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
まとめ:「右腕」は、見つけるのではなく、共に創り上げるもの
先輩から教えてもらった話、まとめるとこうなる。
- 「右腕」を育てたいなら、まずリーダー自身が「尊敬される存在」になれ。
- 「人を変えることはできない」という前提を受け入れ、「人が変わりたくなるような環境」を創り出せ。
- 「右腕」は、本人の「なりたい」という強い願望と、リーダーの「育てたい」という強い愛情が交差した時に生まれる。
この話を聞いて、俺は先輩のことをもっと尊敬するようになった。
そして、いつか自分も、誰かに「この人のようになりたい」と思われるような人間になりたいと心から思った。
もしかしたら、この文章を読んでいる君の隣にいる同僚が、未来の「ナンバー2」かもしれない。
君は、その「石」の輝きに気づけるだろうか?
じゃあな!