「頑張って売上を上げたのに、手元にお金が残らない…」
経営者なら誰もが一度は経験する悩みだろ?
取引先との交渉、社員のマネジメント、日々の経費管理…やることは山ほどあるのに、会社の数字を眺めても「これでいいのか?」って確信が持てない。
特に、「売上は上がってるはずなのに、なぜか儲かってない気がする…」という違和感。
その違和感の正体、実は会社の経営指標が曖昧なせいかもしれない。
今回は、俺自身が「ああ、なるほど…!」と腑に落ちた、会社の健全性を測るためのたった2つの重要な数字について話そう。
これがわかれば、もう「なんとなく経営」から卒業できる。
1人あたり粗利益1,000万円の衝撃的な根拠
「社員1人あたり、年間でいくら稼げばいいのか?」
キミはこの問いに明確に答えられるだろうか?
俺は昔、正直わからなかった。
「たくさん稼いでくれたらいいな」くらいの漠然とした目標しかなかったんだ。
でも、結論から言うと、健全な会社経営の最低ラインは「社員1人あたり粗利益1,000万円」なんだ。
なぜなら、この数字は社員の人件費と、会社の健全性を示す労働分配率から導き出されるからだ。
見落としがちな「人件費」の真実
「うちの社員の給料は年400万円だから、人件費は400万円だろ?」
そう思ってないか?
それは大きな間違いだ。
社員1人を雇うには、給料以外にもコストがかかる。
- 会社負担の社会保険料(給料の約15%)
- 通勤手当
- パソコンや机、オフィスの家賃
- 福利厚生費(社員旅行や懇親会費など)
これらを合計すると、給料が400万円の社員でも、会社が負担する年間コストは約500万円になる。
役員である俺たち経営者も、当然この人件費に含めて計算する。
労働分配率が教えてくれる会社の健全性
会社の健康状態を測る指標の一つに、労働分配率というものがある。
これは、「人件費 ÷ 粗利益」で計算される指標で、粗利益のうち人件費がどれくらいを占めているかを示す。
多くの業種で、この労働分配率の適正値は40〜50%とされている。
例えば、社員5人の会社で粗利益5,000万円を稼いだとしよう。
人件費の合計は、500万円×5人で2,500万円だ。
この場合、労働分配率は2,500万円 ÷ 5,000万円で50%。適正範囲に収まっている。
つまり、社員5人がそれぞれ粗利益1,000万円を稼ぎ出せば、会社は健全に回るというわけだ。
逆に、粗利益5,000万円のままで社員が6人に増えたら、人件費は3,000万円となり、労働分配率は60%に跳ね上がってしまう。
これでは、社員に十分な給料を払い続けるのが難しくなってしまう。
経常利益は「粗利益の10%」を目指せ!
「でも、儲かってるかどうかって、売上に対する利益率で見るんじゃないの?」
これも多くの経営者が陥りがちな落とし穴だ。
なぜなら、業種によって原価率がバラバラだからだ。
例えば、俺のやっているサービス業(ブログ&コンサル業)は原価がほぼゼロに近い。だから売上1億円で経常利益率20%以上を目指せる。
でも、卸売業のように原価率が90%もある会社だったら、売上1億円でも粗利益は1,000万円しかない。どんなに頑張っても、経常利益率を数%にするのがやっとだ。
つまり、売上に対する利益率だけを比較しても、あまり意味がない。
そこで注目すべきなのが、粗利益を基準にした経常利益の目標値だ。
健全な経営を目指すなら、粗利益の10%〜20%を経常利益として残すことを目標にすべきだ。
粗利益が5,000万円あれば、500万円から1,000万円の経常利益を目指す。
この数字を意識することで、業種に関係なく「ウチの会社はしっかり儲かってるか?」を判断できるんだ。
「どうせ節税で調整するんでしょ?」って思っただろ?
「そんなに利益を残したら、税金で持ってかれるじゃん!」
「どうせ決算直前になって、特別損失とかで利益を調整するんだろ?」
そう思ったキミは、かなり経営のことがわかってる。
そう、その通り。
実際知り合いの会社でも、本業で3,000万円の利益を出していても、最終的な経常利益を800万円程度に抑えたりしている企業だってある。
これは、決算賞与を出したり、節税対策として投資したりするからだ。
でも、大事なのは「まず粗利益に対して十分な利益を残す」こと。
これができないのに、無理な節税対策をしても意味がない。
「稼いだ利益を、どのように使うか?」
この思考こそが、会社を成長させるための第一歩なんだ。
まとめ:自分の会社の健康診断をしてみよう
ここまで読んでくれたキミは、もう「なんとなく経営」からは卒業できる。
今日から「1人あたり粗利益1,000万円」と「粗利益の10%を経常利益として残す」という2つの指標を意識してみてほしい。
この数字をベンチマークにして、自分の会社の健康状態を定期的にチェックするんだ。
もし、今の数字が目標に届いていなくても大丈夫。
重要なのは、その事実から目を背けずに、どうすれば改善できるかを考えること。
現状に不満を抱えているなら、まずは自分の会社の数字という「現実」と向き合うことから始めてみようぜ。
俺はキミの挑戦を、心から応援している。
一緒に、数字に強い経営者を目指そうぜ!