経済の中心アメリカの市況を定点観測していきます。株式、債券、原油、金などから、アメリカの状況を確認していきましょう!
株式市場
7日の株式市場はハイテク株を中心に売られ、主要3指数すべて下落しました。
FRBによる大幅な利下げ観測の後退(もしかしたら年内しないかも?)と、中東情勢の不透明感が市場を覆っています。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5695.94 | -55.13 | -0.96% |
ダウ工業株30 | 41954.24 | -398.51 | -0.94% |
ナスダック | 17923.90 | -213.95 | -1.18% |
個別銘柄では、アルファベット(AAPL)は2.29%下落。エピック・ゲームズ社から反トラスト法違反で訴訟を受けていた同社は、裁判の結果敗訴が決定しました。
判決では、グーグルのアプリストア事業であるグーグルプレイをより多くの競争相手に開放するよう命じられました。
アマゾン(AMZN)は3%以上下落、マイクロソフト(MSFT)は1.5%以上下落しました。
一方、エヌビディア(NVDA)は「マグニフィセント7」メンバーの中で唯一上昇(2.24%)しました。
各主要指数のチャートはこんな感じです。
S&P500
NYダウ
ナスダック
ラッセル2000
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債は価格が下落。金利は急上昇しました。
雇用統計を受けた債券売りが続き、10年債利回りは4%を上回る水準に上昇しています。10年債利回りが4%を超えるのは、8月以来初めて。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.30% | 5.4 | 1.28% |
米10年債利回り | 4.03% | 5.8 | 1.47% |
米2年債利回り | 4.00% | 7.4 | 1.87% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場は、1ドル=148円前半で取引を終えています。
原油先物
ニューヨーク原油先物市場は5営業日続伸。
イランのミサイル攻撃を受けて、イスラエルがイランの石油インフラを攻撃するとの観測が強まっていることが背景にある模様。
ハリケーン・ミルトンがメキシコ湾沖でカテゴリー5に格上げされたことも原油価格の上昇を後押しした。
WTI先物は前日比2.76ドル(3.7%)高の1バレル=77.14ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は下落。予想を上回る米雇用統計を受け、利下げ観測が後退したため。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、1.8ドル(0.1%)安の1トロイオンス=2666ドルで取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在22.65。(前日は19.20)
上昇傾向が続いています。
強欲指数であるFear&Greed Indexは、”強欲”に位置してます。
市場参加者が株式に対してポジティブなセンチメントを持っていることが分かります。
まとめ
雇用統計の発表を受けて、CME FedWatchの金利予想は0.25%利下げに変わっています。(雇用統計前は0.50%利下げ)
しかも金利を据え置く予想をしている比率も徐々に上昇しています。
今週木曜に発表される主要な消費者物価指数データ次第で、予想が確信的なものに変わっていくと思います。
個人的な意見ですが、雇用統計の結果が鉛筆ナメナメしたものをここ最近発表していることを踏まえると、どこまで信用していいか斜に構えてしまいます。
そして中東情勢の先行き懸念や大統領選まで約1ヶ月となり、さらなる不透明感が漂う相場状況に突入していきます。
労働市場のデータは(あくまで表面上は)力強いものだったため、投資戦略の方向性が決めにくい現状です。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、最悪&最高のシナリオを考えて、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても暴落したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。