FRBのパウエル議長は30日、ナッシュビルで開かれた全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次会合で講演をした。
そこでは、「この先、経済がおおむね想定通りに進展すれば、政策は時間とともにより中立のスタンスへと移行するだろう」「われわれはあらかじめ定まった道を進んでいるのではない」と語った。
「政策当局は今後も入手するデータに基づき、会合ごとに判断を下していく」と説明した。
株式市場
30日の株式市場はS&P500が反発。
FRBのパウエル議長が講演で追加利下げを急いでいないとのシグナルを発した慎重姿勢にもかかわらず、相場は上昇した。
S&P500は四半期ベースでは4四半期連続高で、これは2021年以来の長期上昇局面。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数も4四半期続伸となった。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5762.48 | 24.31 | 0.42% |
ダウ工業株30 | 42330.15 | 17.15 | 0.04% |
ナスダック | 18189.17 | 69.58 | 0.38% |
各主要指数のチャートはこんな感じです。
S&P500
NYダウ平均
ナスダック
ラッセル2000
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債市場は下落。利回りは、金融政策に敏感な2年債を中心に上昇した。
これは11月のFOMCでの利下げペースに不透明感が出たことによるもの。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.12% | 1.4 | 0.35% |
米10年債利回り | 3.78% | 3.2 | 0.86% |
米2年債利回り | 3.64% | 8.2 | 2.30% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場は、ドルが上昇。1ドル=143円後半で取引を終えています。
パウエル議長の発言を受け、FOMCは利下げを急いでいないとの見方が広がったため。
原油先物
ニューヨーク原油先物市場はほぼ変わらず。
イスラエルがレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを標的に行っている空爆が中東の広範囲の勢力を巻き込む紛争に拡大するのか、リスクを見極めようとのムードが広がったため。
WTI先物は前日比1セント安の1バレル=68.17ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は続落。ただ7-9月(第3四半期)では約13%上昇と、2016年1-3月(第1四半期)以来の大幅高となる見通し。
利下げが実施されるとの楽観や中央銀行による購入、地政学的緊張が高まる中での逃避需要などが背景にあります。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、8.70ドル(0.3%)安の1トロイオンス=2659.40ドルで取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在16.72。(前回は16.95)
強欲指数であるFear&Greed Indexは、ついに”極度の強欲”に位置してました。
投資家が株式に対して楽観的な態度を示していることから、短期的にはここから更なる株価の上昇が期待できます。
※ただし今週は雇用に関する重要な経済指標が目白押しなので、その結果次第なところはあります。
まとめ
今週は雇用や景況に関する経済指標が連続で発表されます。
今日(火曜日)はISM製造業景気指数
10/2水は雇用統計の前哨戦ADP雇用者数
10/3木はISM非製造業景気指数
10/4禁は本命の雇用統計、失業率&非農業部門雇用者数
といったスケジュールになっています。
これらの結果次第で11月の利下げ、および将来の利下げペースが決まります。
そして大統領選まで約1ヶ月となり、さらなる不透明感が漂う相場状況に突入していきます。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、最悪&最高のシナリオを考えて、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても暴落したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。