日本の長期金利が上昇しています。コチラの画像をご覧ください。
少し見辛い画像であることをご容赦ください。ここ数ヶ月下落してきた長期金利ですが、5月末の金利約1.1%の水準を今まさに越えようとしています。これには以下の状況が起因となっています。
10日の債券相場は下落し、長期金利が上昇している。前日開かれた債券市場参加者会合を受け、日本銀行の国債買い入れが大幅に減額されるとの警戒感から売りが優勢となっている。
三菱UFJアセットマネジメント戦略運用部の加藤章夫シニアマネジャーは、債券市場参加者会合でメガが最低でも3兆円は減額してほしいという意見だったことが重しになっているとし、「これがコンセンサス化していくと相場の重しになりやすい」と指摘。
ただ、「それを織り込んで下落していくのであれば、会合後は買い戻される可能性もある」との見方も示した。
日銀が9日に開催した債券市場参加者会合では、メガバンク3行と複数の証券会社が日銀に国債買い入れの積極的な減額を求めた。複数の関係者への取材で分かった。日銀は具体的な減額計画を提示しなかった。10日は生命保険会社など機関投資家から意見を聞く予定。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、バイサイドグループの同会合でも減額に積極的な意見が出やすいとみられるとし、「減額規模が思っていたよりも大きくなると警戒される可能性がある」と述べた。
日銀は6月の金融政策決定会合で国債購入の減額方針を決定した。9、10両日で集められた市場の意見は30、31日開催の7月の日銀会合で決める「今後1-2年程度の具体的な減額計画」を議論する上で重要な材料となる。債券市場参加者会合を巡っては、減額幅やペースに関する日銀の情報発信や参加者の意見が注目を集めていた。(BloombergHPより記事を引用)
先月に開かれた6月の金融政策決定会合で国債購入の減額方針を打ち出した日銀。
具体的な金額やどの程度の規模で行うか?といったことは、この時点では明言されませんでしたが、いよいよ今月に迫った金融政策決定会合で方向性が決まるのではないか?、との憶測が広がっています。
日銀&長期金利の動向に要注目です!
さて、今回の記事ではタイトルにもあるように、【長期金利の上昇によって企業の”連鎖倒産”が起こるのでは…】、というテーマについて書いていきます。
不安を煽る内容になってしまうかもしれませんが、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは本題に参ります。
長期金利上昇の影響
まず長期金利上昇でどのような影響が私たちに襲いかかるのか?、お話しします。次の3点が考えられます。
- 住宅ローンやカーローンの新規借入の金利上昇
- 企業の借入金利の上昇
- 定期預金の利率上昇
長期金利は、銀行からの借入の利率に大きく影響を与えます。住宅及び自動車購入でローンを組んだ際は、(基本的には)銀行からお金を借りている状態になります。長期金利が上昇している今、将来的に金利が引き上げられ、私たちの首をゆっくりと締めてしまうかもしれません。
その代わりといっては何ですが定期預金、つまり銀行に預けているお金の金利も上昇します。なので、デメリットばかりということではないので安心してください。(まぁどの程度金利が上がるか分かりませんけどね…定期預金は雀の涙ほどの上昇で、ローン金利はガッツリ上がる可能性だってありますし…)
さて、今回お話ししたい内容はもう一つの方で、企業の借入金利の上昇コチラです。
企業は事業を継続していく上で様々な資金調達を行なっています。銀行からの借入もありますし、株を発行して資金を募ることもあります。他の企業から借りる場合もあるでしょう。地方自治体や商工会議所の助成金を活用することも可能です。中小企業なら社長のポケットマネーを会社に貸す(役員借入金として)ことも出来ます。
以上のことから、いささか暴論のように感じてしまうかもしれませんが、中小企業というのは”借金しないと回らないもの”なのです。中小企業庁が出している借入依存度の推移の図をご覧ください。
中小企業(製造業•サービス業含め)では、総資産のうち約4割近くの借金を抱えています。これは「資金繰りが厳しい」と言い換えることも出来ます。長期金利の上昇は、中小企業の返済&利子負担を増加させることに繋がります。ただでさえ資金繰りが厳しい企業は、弱目に祟り目の状態になります。
「いやいや無借金経営している企業だってあるでしょ!」
「そもそも論、”短期継続融資”みたいに利息だけ払って元本返さなくても良い借金もあるよね?それ活用すれば良くね?」
もちろんそういう意見があることも承知しています。ですが、借金しかも金融機関のみから借りている企業が多いことも事実です。そういった企業は設備投資はおろか、負債の返済すらできず、会社を存続させることすら危うくなります。
コチラの画像をご覧ください。
株式会社東京商工リサーチが発表している過去20年の倒産件数の推移を表したグラフになります。
ざっと平均しても年間1万件の企業倒産が起こっています。長期金利の上昇によって、今後この件数が跳ね上がってしまうかもしれません。
まとめ
今回は【長期金利の上昇によって企業の”連鎖倒産”が起こるのでは…】、というテーマについて書いていきました。
もしかしたら今後辛い現実が待っているかもしれません。だからこそ、個人の力を高めていくべき時だと私は思います。
正直今回お話しした内容は一個人ではどうすることも出来ないじゃないですか?流れに身を任せるしかないです。
ただ、そういう悪い未来が待っているかもしれないからって、何もしない&対策しないのは、目の前にクマがいるのに大人しく呑気に泳いでいるシャケと変わりません。極端に言うと、大人しく4ぬのを待っているだけと何も変わりません!
もし、ヤバいと感じるなら焦燥感や絶望感があるなら、心の声に従って何か動き出してみてください。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。