注目されていた8月の米CPI。結果はコアCPIが予想を上振れたものの、その他は市場の予想通りになりました。
- コアCPIは前月比0.3%上昇(市場予想は0.2%上昇)
- 7月は0.2%上昇
- 前年同月比では3.2%上昇(市場予想と一致)
- 7月は3.2%上昇
- 総合CPIは前月比0.2%上昇(市場予想と一致)
- 7月は0.2%上昇
- 前年同月比では2.5%上昇(市場予想と一致)
- 7月は2.9%上昇
株式市場
予想を若干上振れたCPIの発表を受けて大幅な利下げ観測が後退しました。
指標発表後売り優勢で始まったが、大手ハイテク株を中心に買いが入り、上昇に転じています。主にエヌビディアに資金が流入し株価は8%上昇。半導体株の上げをけん引しました。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5554.13 | 58.61 | 1.07% |
ダウ工業株30種 | 40861.71 | 124.75 | 0.31% |
ナスダック | 17395.53 | 369.65 | 2.17% |
チャートではこんな感じです。
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債市場では期間短めの国債を中心に利回りが上昇。
FOMCが0.5%刻みといった大幅な利下げでなく、段階的に利下げに踏み切るとの観測から上昇しました。
国債 | 直近値 | 前営日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 3.97% | 1.0 | 0.24% |
米10年債利回り | 3.66% | 1.7 | 0.46% |
米2年債利回り | 3.65% | 5.1 | 1.43% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルでCPI発表後に1ドル=142円54銭まで下げ一時141円前半まで買われる場面もありました。
しかし、最終的には1ドル=142円前半で取引を終えています。
原油先物
ニューヨーク原油先物市場は反発し、2週間ぶりの大幅高となりました。米メキシコ湾岸の主要産油地帯がハリケーン「フランシーヌ」に襲われたことから、ショートカバーの動きがでたことが影響しています。
WTI先物は前日比1.56ドル(2.4%)高の1バレル=67.31ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は反落しました。8月のインフレが予想外に加速し、大幅利下げ観測が後退したことが背景にあります。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、前日比70セント(0.1%未満)下げて、1トロイオンス=2542.40ドルで取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在17.70。(前回は19.07)
投資家のセンチメンが改善しています。
強欲指数であるFear&Greed Indexは、”恐怖”を指しています。
昨日に比べて少し中立よりに戻してきています。
まとめ
以前から相場には「良いニュースは悪いニュース、悪いニュースは良いニュース」というような格言があります。
しかし、今は逆で「良いニュースは良いニュース、悪いニュースは悪いニュース」となっています。当たり前の反応ですよねw
8月の米CPIはインフレ再燃を心配するほど悪い結果ではない、と個人的には考えています。
問題はFRBも注視すると宣言している労働市場ですね。
労働市場が悪化してきていることは明らかです。来週行われるFOMCで0.25%利下げが行われたとして、労働市場の冷え込みが改善されるのか微妙な感じがします。
しかし結果が出るのは数ヶ月先のことですから、データが出て初めてFRBが判断するでしょう。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても暴落したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。