株式市場
8月21日の米国株式は、主要3指数全て反発しました。
公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨と年次改定に伴う米雇用者数の大幅下方修正を受け、9月利下げ観測が強まったことが相場の押し上げ材料となったため。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5620.85 | 23.73 | 0.42% |
ダウ工業株30種 | 40890.49 | 55.52 | 0.14% |
ナスダック | 17918.99 | 102.05 | 0.57% |
個別株を見ると、ディスカウントストアを展開するターゲット(TGT)が一時16%高。既存店売上高が前年同期比プラスに転じた。
一方、百貨店のメーシーズ(M)は通期の売上高予想を下方修正したことが嫌気され、一時14%安と明暗が分かれてます。
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債の状況
9月の利下げが確実視されたことを受け、政策金利に影響される2年債の利回りが減少(一時9bp余り下げ、約3.89%)しました。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.08% | 1.5 | 0.37% |
米10年債利回り | 3.80% | -0.8 | -0.20% |
米2年債利回り | 3.93% | -5.5 | -1.39% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場ではFOMC議事要旨の公表後に、ドル指数がこの日の最安値を付け、145円前半で取引を終えています。
原油先物
原油先物価格は続落。アルゴリズム取引による売りが優勢となり、1月以来の安値をつけた。週間石油統計では在庫減少が示されたものの、需要を巡る懸念は払拭(ふっしょく)されなかった。
WTI先物10月限は前日比1.24ドル(1.7%)安い1バレル=71.93ドルで取引を終えています。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在16.26。(前日は15.87)
強欲指数であるFear&Greed Indexは”中立”を指しています。
雇用者数の改定による労働市場の冷え込みの懸念がある中で、投資家のセンチメントが悪くなってないのは不思議な感じがします。
まとめ
市場は9月の利下げを確実視していますが、私がそれより気になったのが、「FOMCが7月30-31日に開いた会合で、幾人かの当局者が7月に利下げを行う妥当な論拠があるとの認識を示したことが議事要旨で明らかになった。」との情報です。
つまりFOMCメンバーの数人は、7月に利下げする必要性を訴えかけていたのです。
結局、政策金利は現状維持されましたが、2ヶ月間金利がそのままの水準で行くことに先程のメンバーは危機感を持っているはずです。
だって「現状の金利水準では経済が持たない」こう思っていることに他ならないからです。
eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏は、問題は9月利下げの有無でなく利下げ幅だとし、「市場は現在、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)より25bpの利下げ確率をより多く織り込んでいる。8月雇用統計が極端に期待外れの数字とならなければ、現時点ではそうなる可能性が高いように思える」と述べています。
いくら市場関係者が0.25%の利下げを織り込んでいたとて、実体経済が弱ければ利下げは織り込み以上行われます。
雇用統計の年次改定の結果を受け、ルネサンス・マクロ・リサーチのニール・ダッタ氏は「9月のFOMC会合で利下げ幅を25bpにするか50bpにするかを決める上で、次回発表の雇用者数を判断材料にするのがいかに『ばかげた』ことか。それがこの基準改定から私が得た主要なメッセージだ」とコメント。
「この改定データが示唆するのは、次回発表される雇用者数の数字がどうなるにせよ、実際には恐らくもっと低いということだ」と述べた。
データが捏造までいかないにせよ、盛られて発表されていたことは、政府が発表したデータにしては正確性に欠けます。信用できなくなるのです。
次回発表される8月の雇用統計では、ようやく実態を反映したデータが出ることを期待したいです。
兎にも角にも、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。