株式市場
8月12日の米国株式は、経済指標の発表を控えてることと、イスラエルがイランによる大規模攻撃に備えているという地政学的緊張から、方向感が乏しくほぼ値動きが無く取引を終えました。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5344.39 | 0.23 | 0.00% |
ダウ工業株30種 | 39357.01 | -140.53 | -0.36% |
ナスダック | 16780.61 | 35.31 | 0.21% |
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントのソリタ・マルチェリ氏は「ボラティリティーは今週戻ってくる可能性はある」「インフレ率が低過ぎれば、米国がリセッション(景気後退)に向かっているのではないかとの懸念が高まる可能性がある。インフレ率が高過ぎれば、米連邦公開市場委員会(FOMC)が経済を守れるだけの速さで利下げできないのではないかとの懸念を助長しかねない。地政学的リスクも依然として高い」と分析した。
インフレ率が低ぎても景気後退懸念があり、逆に高すぎてもFRBの対策が後手に回る可能性がある、という板挟みの状態です。市場関係者はどちらに転んだとしても、警戒を強める意向のようです。
ですが、反対に「インフレ率は気にしない」という意見もあるようです。
エバコアのクリシュナ・グハ氏は、「CPIが高めに出てもパニックになる必要はない」「いま金融当局が最も重視しているのは労働市場に関するデータで、インフレデータが第一ということはない。もし労働関連データが今後も軟調な場合、金融当局は利下げに関して前倒しの姿勢になるだろう」と述べた。
ヒートマップを確認すると、大型テック株以外全体的に小幅に売られていて、若干リスクオフムードが漂う相場だったことが分かります。
債券市場
米国債の状況
地政学的緊張が高まったこと&株式に対してリスクオフムードが広がったことから、米国債は買われ金利は上昇しました。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.20% | -1.7 | -0.41% |
米10年債利回り | 3.91% | -3.4 | -0.87% |
米2年債利回り | 4.02% | -3.6 | -0.88% |
為替市場
NY市場において円はドルに対して下落。1ドル=147円台前半で取引を終えました。
イランがイスラエルを攻撃する、との報道を受け逃避需要からドルは買われ、円安が進行しました。
原油先物
原油先物価格の指標であるWTI原油は、前営業日比3.22ドル(4.2%)高い1バレル=80.06ドルで取引を終了しました。
本日(12日時点)価格が急上昇していますが、これは12日に石油輸出国機構(OPEC)が、今年と来年の世界需要予測を引き下げたことが原因の一つです。
もちろん原油価格の上昇は、巡り巡ってアメリカの物価上昇につながります。ですが、今現在アメリカの原油およびガソリン在庫は予想以上に増加しています。なので、この在庫が解消されるまでは、少なくともガソリン価格によってインフレ懸念が再燃することはないでしょう。
※ただ原油&ガソリン在庫が過剰気味ということは、それだけ需要がないことの裏返しでもあります。本来夏場はドライブシーズンなどでガソリン需要が高まるはずです。
それでも余っているということは、個人消費活動の縮小、引いてはアメリカ経済が後退していることを示唆していると思います。
指標
VIX指数は大きな変化はなく、現在20.72。先週と比べてほぼほぼ変化がありませんでした。
強欲指数であるFear&Greed Indexも先週と変わらず、”恐怖”よりの”極度の恐怖”を示しています。
まとめ
今週発表される経済指標は、アメリカの今後を決める重要なものになります。結果次第では先週以上の株価変動(ボラティリティ)を覚悟しなければいけません。
度々このブログにて書いていますが、私は暴落煽りをしたいわけでも、株は売ってしまえ、と言いたいわけでもありません。
何時如何なるどんな状況に陥っても後悔のない、そして自分が心穏やかにいれるポジションを取ることが重要だと考えています。
米国株や全世界株に投資している方は、今一度自分の投資戦略を考え直してみてください。
アメリカが想定以上の利下げを行ってしまえば、予想以上の円高になってしまう可能性があります。
そして株安&円高は外国株式に投資している方にとって、ダブルパンチとなります。つまり、想定以上に資産を目減りさせる危険性があるということです。
米国や全世界株に限った話ではなく、日本株にも同じことが言えます。
リスク許容度以上の投資をしていると、それに慌てて狼狽売りをしてしまいかねません!
株は長期間持ってようやく平均利回り4〜7%くらいの年率に落ち着くのです!
しかし頭ではわかっていても、実際にその時が来れば不合理な選択を取ってしまうのが人間です。なので、「このお金は最悪失っても良いや」くらいの金額を投資するのがベターです。
せっかく自分で稼いだ大切なお金なのですから、目先の安易な選択で全てを失ってしまわないように、気をつけていきましょう!
私はインデックスを積立投資し続けていきます。そして、もう少し経ったら高配当株投資へ資金を振り向けよう、こういう戦略でいます。もちろんリスク許容度の範囲内で。
皆さんも自分なりの戦略を立てて、投資をしていってください。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。