経済の中心アメリカの市況を定点観測していきます。
株式、債券、原油、金などから、アメリカの状況を確認していきましょう!
10日に発表されたCPI(消費者物価指数)は以下のような結果になりました。
- コアCPIは前月比0.3%上昇-予想は0.2%上昇
- 8月は0.3%上昇
- 前年同月比では3.3%上昇-予想は3.2%上昇
- 8月は3.2%上昇
- 総合CPIは前月比0.2%上昇-予想0.1%上昇
- 8月は0.2%上昇
- 前年同月比では2.4%上昇-予想2.3%上昇
- 8月は2.5%上昇
市場予想を上回るCPIの伸びだったわけですが、これは予想が厳しすぎる数字だったことが原因です。
前月の数字から見れば伸びは鈍化しているため、傾向としては良い状況です。
株式市場
10日の米株式相場は主要3指数全て下落しました。
CPIと同時に発表された新規失業保険申請件数が1年ぶりの高水準だったことを受け、労働市場の減速懸念が再燃しリスクオフの動きが広まりました。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5780.05 | -11.99 | -0.21% |
ダウ工業株30 | 42454.12 | -57.88 | -0.14% |
ナスダック | 18282.05 | -9.57 | -0.05% |
各主要指数のチャートはこんな感じです。
S&P500
NYダウ
ナスダック
ラッセル2000
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債は小幅な動き。
国債 | 直近値 | 前日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.36% | 2.1 | 0.48% |
米10年債利回り | 4.06% | -0.8 | -0.19% |
米2年債利回り | 3.96% | -6.0 | -1.49% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場は、1ドル=148円半ばで取引を終えています。
原油先物
ニューヨーク原油先物市場は3日ぶりに上昇。
イランのミサイル攻撃に対するイスラエルの報復を警戒し、買いが入った。
WTI先物は前日比2.61ドル(3.6%)高の1バレル=75.85ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は7営業日ぶりに反発。
CPIと労働指標がまちまちの内容となる中、11月に0.25ポイントの利下げがあるとの見方がわずかに強まり、買いが優勢になった。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、13.30ドル(0.5%)高の1トロイオンス=2639.30ドルで取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在20.94。(前日は20.87)
強欲指数であるFear&Greed Indexは、”強欲”に位置してます。
まとめ
今回発表された経済指標は”まちまち”という市場の反応です。
ただ個人的な意見としては、「これスタグフレーションの気配もあるんじゃない?」というのが正直なところです。
雇用統計は強い数字だったとはいえ失業保険申請件数が増加していますし、しかもハリケーンの影響で今後物価上昇であったり労働市場に悪影響が及んだりするかもしれません。
そうなれば利下げしたとしても効果は薄いと思います。それに加えて原油価格も上昇しつつあることも、インフレ再燃を懸念しなければいけません。
ですので余計にスタグフレーションの可能性が高まっている情勢だと思っています。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、最悪&最高のシナリオを考えて、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても暴落したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。