4日に発表された雇用統計は市場予想を裏切るものでした。
非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比25万4000人増加 (市場予想15万人増)
前月は15万9000人増に上方修正 (速報値14万2000人増)
失業率は4.1% (市場予想そして前月は4.2%)
平均時給は前年同月比で4%増(市場予想3.8%増)
株式市場
4日の米国株相場は上昇。
予想を上回る結果に終わった雇用統計を受け、市場関係者の利下げシナリオの方針転換が起こり、ソフトランディング期待が広がったため。
S&P500とナスダック100は9月19日以来の大幅高。共に、週間ベースでも小幅に値上がりしました。
株式 | 終値 | 前日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5751.07 | 51.13 | 0.90% |
ダウ工業株30 | 42352.75 | 341.16 | 0.81% |
ナスダック | 18137.85 | 219.38 | 1.22% |
各主要指数のチャートはこんな感じです。
S&P500
NYダウ
ナスダック
ラッセル2000
ヒートマップはこのような状態になっています。
債券市場
米国債は価格が下落。金利は急上昇しました。
ソフトランディング期待によって安全資産である国債が売られ、リスク資産に資金が流入しました。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.25% | 7.3 | 1.74% |
米10年債利回り | 3.97% | 12.0 | 3.11% |
米2年債利回り | 3.92% | 21.4 | 5.79% |
為替市場
ニューヨーク外国為替市場は、1ドル=148円後半で取引を終えています。
原油先物
ニューヨーク原油先物市場は4日連続で続伸。
イラン石油施設への攻撃を思いとどまるようバイデン米大統領がイスラエルに促したとの報道が材料となりました。
WTI先物は前日比67セント(0.9%)高の1バレル=74.38ドルで取引を終えています。
金先物
金相場は軟調に推移。
中東情勢の緊迫化と、予想を上回った米雇用統計という2つの材料を見極めようというムードが広がりました。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、11.40ドル(0.4%)安の1トロイオンス=2667.80ドルで取引を終えてます。
指標
投資家の恐怖を表すVIX指数は、現在19.20。(前日は20.48)
強欲指数であるFear&Greed Indexは、極度の強欲よりの”強欲”に位置してます。
市場参加者が株式に対してポジティブなセンチメントを持っていることが分かります。
まとめ
雇用統計の発表を受けて、CME FedWatchの金利予想は0.25%利下げに変わっています。(雇用統計前は0.50%利下げ)
個人的な意見ですが、雇用統計の結果が鉛筆ナメナメしたものをここ最近発表していることを踏まえると、どこまで信用していいか斜に構えてしまいます。
そして中東情勢の先行き懸念や大統領選まで約1ヶ月となり、さらなる不透明感が漂う相場状況に突入していきます。
労働市場のデータは(あくまで表面上は)力強いものだったため、投資戦略の方向性が決めにくい現状です。
いつも書いていますが、大事なのは今市場にあるリスクを認識しつつ、最悪&最高のシナリオを考えて、後悔のないポジションをとっていくことです!
相場に居続けることを考えて、そして株価が上昇したとしても暴落したとしても納得いく投資を行っていきましょう。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。