1937年アメリカニュージャージー州にあるレイクハースト海軍飛行場にて、ドイツの硬式飛行船「ヒンデンブルク号」が爆発・炎上事故が発生しました。
この事故で、乗員・乗客35人と地上の作業員1名、合計36名が死亡し、多くの乗客が重傷を負いました。
映画、写真、ラジオなどの各メディアで広く報道されたことで、大型硬式飛行船の安全性に疑問が持たれ、飛行船時代が幕を閉じるキッカケにもなった痛ましい事件です。
そこから時代は進み1980年代後半、アメリカの盲目の数学者ジム・ミーカが数学と統計手法を用いて金融市場の動向を予測するための独自の指標を考案しました。
それが「ヒンデンブルグオーメン」というテクニカル指標です。
ヒンデンブルク号の爆発・炎上事故、それに加えて前兆・予兆(神様からのお告げ)を意味するオーメンからその名が付けられたと言われています。
そんな「ヒンデンブルグオーメン」。
発生すると1か月間は有効とされ、80%弱の確率で5%程度の下落、大きな調整は40%程度、暴落(20%以上の下落)は25%程度、が起きるといわれています。
実際に下落が起きた確率は、2014年から2016年の間に、ヒンデンブルグオーメンが点灯した8回のうち、”4回に”顕著な下落が認められた、と言われています。
※具体的な日付は以下の通り。
(①2014年5月 ②2014年9月 ③2014年12月 ④2015年1月 ⑤2015年3月 ⑥2015年6月 ⑦2015年12月 ⑧2016年12月)
ちょっと期間が古いデータになるのですが、SBI証券さんから画像をお借りしました。
画像ではヒンデンブルグオーメンは7回点灯しています。グラフが見辛いのは仕方ないとしても、目に見えて下落を記録したのはコロナショックくらいに見えます。
点灯する前の段階からじわじわ下げている局面もありましたし、正直ヒンデンブルグオーメンが点灯したからと言って、身構えるほどの的中率とは思えないですよね?
実際「よく当たる」という人もいれば、「全く当てにならない」という人もいて、意見が分かれています。
では具体的にどのような条件を満たせば点灯するのか?
詳しい条件は以下の通りです。
条件1:ニューヨーク証券取引所(NYSE)での52週高値更新銘柄と安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上
条件2:NYSE総合指数の値が50営業日前を上回っている
※つまり株価が上昇トレンドであること
条件3:短期的な騰勢を示すマクラレンオシレーターの値がマイナス
※簡単に説明すると、上昇銘柄よりも下落銘柄の方が多い状態のこと
条件4:高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を超えない
勝手に要約すると、株価は上昇トレンドなのに個別で見れば安値を更新している銘柄が多くあり、実際には強気相場と言えない状態。
この時にヒンデンブルグオーメンが点灯することになります。
多くの場合、騙しやノイズに終わってしまうヒンデンブルグオーメン。ですが、数ヶ月前に2回目の点灯をしています。警戒するに越したことはないと思います。
ただし、点灯した都度律儀にポジション整理や売却をしてしまうと機会損失に繋がります。
ブログでも度々伝えてきていますが、重要なのは市場がどの状態にあっても、”退場しない&後悔ない”ポジションをとっていくことです。
アメリカの金融政策の転換、大統領選挙、アメリカの経済指標が実は強くないかも?、など懸念事項は尽きません。
その時であっても、自分なりに考え行動をしていくことが大事だと思っています。
今回は「ヒンデンブルグオーメン」の解説に加えて、個人投資家としての身構えについて改めてお伝えしました。
何か一つでも参考になれば嬉しいです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。