スポンサーリンク
ランチェスター戦略とは、ビジネスにおける競争に勝つためのマーケティング・販売戦略の1つ。
イギリスのエンジニアであるフレデリック・ランチェスターが第1次世界大戦中に提唱した軍事戦略「ランチェスターの法則」をベースとしています。
戦後になって日本人コンサルタントの田岡信夫氏が社会心理学の知識や日本市場での研究をもとにビジネスに応用し、高度成長期以降は実践的なマーケティング理論として広く活用されるようになりました。
具体的には、市場占有率26%以上を押さえた1位の会社が実行する「強者の戦略」と、2位を含めてこの条件を満たしていない競争条件が不利な会社が実行する「弱者の戦略」の2種類があります。
一つの例として「薄利多売」。これは業界1位および大企業が取る戦略で、2位以下および中小企業が同じ戦略を取ると必ず負けます。
じゃあ弱者はどのように戦っていけば良いのか?
基本戦略としては武器性能を上げて戦いに勝つことであり、ビジネスにおいては「独自性」や「優位性」によって差別化することを目指します。
戦い方としては以下の5種類存在します。
戦略 | 内容 | 具体的な手法 |
---|---|---|
局地戦 | 狭い地域や領域に限定して戦う | 一位の死角となっている地域や狙いにくい領域に絞って、自社のリソースを集中投下する |
接近戦 | 消費者やエンドユーザーなど、最終顧客に近いところで戦う | 営業による顧客との関係性の強化、卸売りをやめてユーザーへ直接販売する |
一騎打ち | 1対1の戦いに持ち込んで戦う | 一社としか取引していない企業や1品しか使っていないユーザーを狙う |
一点集中 | 局所的にダントツ1位を目指して戦う | 小さな領域(地域、カテゴリー、顧客層、用途などにおいて)に集中し、そんなニッチな中での圧倒的ナンバーワンを実現する |
陽動作戦 | 真の攻撃目標から目をそらさせるよう、敵をかく乱させたり意表をついたりする方法で戦う | 広域戦で戦うふりをしながら、悟られないように一部のターゲットに集中して営業をかけたり、業界的に非常識な手法を持ち込んだりする |
一方「強者の戦略」は先ほどと全て逆です。
戦略 | 内容 | 具体的な手法 |
---|---|---|
広域戦 | 地域や領域を限定せず戦う | 市場において死角を無くし、すべての顧客を相手にビジネスを展開する |
確率戦 | 同時に複数の競合を攻撃できる兵器を利用して戦う | 商品ラインナップを充実させる、取引先が多い顧客を狙って営業をかける、多くの代理店を使う |
遠隔戦 | 離れた顧客にもアプローチできる仕組みを作り、接近戦になる前に勝負を決める | 卸し店や代理店を使って隅々まで配荷したり、マス・コミュニケーションを活用したりする |
総合戦 | 圧倒的なスケールでさまざまな資源を投入して総合的に戦う | 営業人数、マーケティング予算、商品数など多角的な面で優位に立つようにする |
誘導作戦 | 競合を自らの土俵におびき出して徹底的に戦う | 自社の強みがある領域に競合をおびき出し、徹底的に倒すとともに、弱者の集中戦略を崩す |
弱者には弱者の戦略、戦い方があるんだ!ということを意識してビジネスを行っていきたいですね。
以上何か一つでも参考になれば嬉しいです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。