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なおモンの方丈紀 PR

巨額損失の農林中金が来月1日に決算発表 一体何が起こったのか解説

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農林中央金庫が2024年4ー6月期(第1四半期)決算を8月1日に発表します。

そもそも農林中央金庫とは、JA(農協)、JF(漁協)、JForest(森組)などの農林水産業者の協同組織が共同出資して設立された金融機関です。

少し前に話題になりましたね。そして農林中金の問題は、個人投資家にとって学びになるものになっている、と思っています。
今回はそんな『農林中金が何をやらかしたのか?』『今回の件から学ぶこととは?』といったことを解説していきたいと思います。

「ニュースになってたけどよくわからなかった」「投資家にとって学ぶことってなんだろう?」、という方のお役に少しでも立てると嬉しいです。

それでは本題に参ります。

経緯

事の発端は今年6月、農林中央金庫が「外国債券の運用の失敗で巨額の損失の計上を迫られる見通しで、来年3月期の最終赤字が1兆5000億円規模に拡大する可能性がある」と明らかにしたことから始まります。
この巨額の赤字計上は、リーマンショック後の2009年3月期に計上した最終赤字を大幅に上回る、とのこと。(とんでもないやらかしですね)

昨今のアメリカ中央銀行FRBの利上げを受けて、外国債の評価損が大きくなっているとはいえ、損失額が巨額すぎますね。

今回詳しい説明は割愛しますが、金利と債権価格は逆の値動きをします。
金利が上がる⤴️債権価格は下がる⤵️
金利が下がる⤵️債権価格は上がる⤴️

といった値動きをします。

ただ保有している段階だったら評価損、含み損の状態なので、満期まで持っていたら関係ないはずでした。
非実現損失を実現損失にしなければいけないほど、銀行経営が危うい状況なのでしょう。
それを裏付けるかのように、今年3月末時点の有価証券評価損は1兆7698億円に上っています。

出典:農林中央金庫

農林中金に限らず、全ての銀行は現金そのままで管理することはしません。 
一定額、債券(特に日本や外国の国債など)の有価証券に変えて管理しています。そうすることによって金利を受け取り、銀行の売上・収益にしているのです。
イメージとしては、1億円持っていたら5千万円を現金、5千万円を国債といった感じで運用してます。(金額はあくまで一例)
今回に限らずここ2、3年で起こっていることは、この国債5千万円の部分が、日に日に目減りしていっているのです。
なので、有価証券の管理方法・商品を間違えると今回のような損失を被ることになります。

ただ、農林中金は今回の10兆円規模の外債売却について、24年度末にかけて期間の分散を図りながら実施する、としています。なので、4ー6月決算時点で劇的に変化している可能性は低いでしょう。

そして、農林中金は「農業協同組合(JA)などの出資者から1兆2000億円規模の資本増強を受けることを計画している」とも報じられてます。
損失額が大きいので他から借りなければ回らないですからね。

無理やり分かりやすいように噛み砕いて説明すると、後で食べようと思っていた食品を、冷凍庫に入れてました。ですが冷凍焼けで捨てなくてはいけなくなりました(これが今回の外国債)。
このままだと食べるものに困る農林中金は、
🏦「そうだ!お隣さん(JA)から食材分けてもーらお!」、こう考えました。これが、今回起こったことです。(伝わりましたかね?)

ここまでが報道されている内容の要約になります。

経営陣の責任は?

さて、普通の会社であれば1兆円の損失、赤字を出してしまったら、経営陣クビですよね?
ですが、今のところ農林中金はそのような話は出てきていません。

リーマンショック後の赤字を出した際は、(ちゃんと?)当時の理事長が引責辞任しています。
今回はどうなるんですかね?何も農林中金からアナウンスがないのは変ですよね?

そもそも責任感もって仕事してれば、こんなに巨額の赤字を作らないはずではないでしょうか?
債券運用が下手くそだった、とかそんなレベルじゃないと思います!
やることをやってほしいですね!

しかも、「損失を出資者から補填してもらおう」この対応も気に入りません。自分たちでなんとかするべきでは?と思ってしまいますが、皆さんはどう思いますかね?
しかもJAは農家の方を支援する為の組織なのに、そこからお金を借りるってどういうつもりなんでしょうか?
JAもそんなところにお金を流すのではなく、農家の方を助けるためにお金を使ってほしいものです。
※どうやら農林中金は天下り組織という話もあるので、「まぁ、そうか…」といった感想を抱いてしまいます。

個人投資家が学ぶこと

さて、今回の農林中金の問題。この件から、個人投資家が学ぶべきこととは一体なんでしょうか?

それは、「債券の含み損は関係ない!」です。債券というのは、資産の特性上満期まで持っていたら(ほぼ確実に)お金を受け取れます。しかも、書いてある金額分です。

今回農林中金が外国債を手放してしまった理由は様々あると思います。
ただ一番の要因は、含み損が耐えられない状況に陥ったから、だと私は思っています。
銀行も一応株式会社なので、利益を追求しなければいけない組織です。
評価損というのは、まだ確定していない損失&(言ってしまえば)架空・虚像の損失なのです!
満期まで持っていればその損失はなかったことになります。(P/Lには載ってしまうので場合によっては赤字になりますが…)
実際には決算を見て判断しなければいけませんが、私としては「これ以上赤字を容認できない経営状態だったから」こそ、今回含み損を確定させてしまったと思っています。

銀行及び会社という利益を追求する組織が運用していたから、今回の件が起こりました。
ですが、私含め個人投資家の方には債券の含み損なんて関係ないはずです。
債券に投資する人は「安全に利息収入だけ得たい」こう考えて保有しているはずです。「途中で売買したい!&株と同じようにトレードで利益出したい!」こう思って投資する人は少数派でしょう。
※一応トレードのように債券投資する方法もあり、実際に利益を出している方もいるようですが、ものすごい上級者向けの投資だと個人的に思います。

あくまで個人の考えになるのですが、「債券は満期まで保有するもので、トレードするものではない」こう考えてます。
なので、もし債権に投資する&すでにしている方は、今一度「絶対満期まで保有するんだ!」という意思があるのかどうかを、考えてみてください。

まとめ

今回は外国債権の運用失敗で問題になっている農林中金
そこが一体何をやらかしたのか?』を解説してきました。

来月の1日に発表される決算、そして経営陣の処遇について何か発表があると良いですね。
そして債券に投資したい&すでにしている方は、今一度「なぜ債券に投資しているのか?」自分に問いかけてみてください。

今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、有り難うございました。

ABOUT ME
なおモン
閉塞感を感じている現状を変えるべくブログを開設しました noteもやってますので、よろしければ下のリンクから覗いてみてください ※当ブログにはプロモーションが含まれています。

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