株式市場
8月8日の米国株式は力強く反発した。新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、景気減速懸念が和らいだことが影響しています。
株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
---|---|---|---|
S&P500 | 5319.31 | 119.81 | 2.30% |
ダウ工業株30 | 39446.49 | 683.04 | 1.76% |
ナスダック総合 | 16660.02 | 464.21 | 2.87% |
S&P500種株価指数は2022年11月以来の大幅高となり、主要な業種別指数が全て値上がりした。なかでも、エヌビディアは大型ハイテク株の上昇を牽引。ここ数日下落していたINTC(インテル)も買い戻しの動きが見られ、前日比+7.9%と大きく上昇しています。
ヒートマップを確認してみると、ほぼほぼ緑一色(リューイーソー)となっています。それだけ全体的に買い戻しの動きが活発だったことが伺えます。
先週の米新規失業保険申請件数は、ここ1年近くで最大の減少となっているものの、これは先週分のみのデータに過ぎません。
いくら数字が良くて、労働市場の沈静化ペースが速過ぎるとの懸念の緩和につながっているとしても、いまだに継続受給者数は187万人近くいます。新規の受給者数が減ったとしても、継続受給者が多ければ「景気減速の懸念が和らいでいる」とは言えません。
それだけ市場参加者は、どんな些細なことでも良いから株式売買の情報を求めているのでしょう。
問題なのは来週に発表されるPPI&CPIです。先月のパウエル議長は「物価上昇よりも雇用状態に重きを置く」といったニュアンスの発言をしていますから、2%に近づいていることよりも”上昇していないこと”これが確認できれば利下げする、と考えているのではないか?と思っています。
とはいえ、来週のアメリカの経済指標にも目を光らせておいた方が良いでしょう。
債券市場
米国債の状況
アメリカの景気減速懸念が和らいだことにより、安全資産である米国債が売られた関係で続落しています。
そして、多くの方が気になっているであろう逆イールドの解消。あとは時間の問題ともいえる水準にまで金利差は縮まっています。
国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
---|---|---|---|
米30年債利回り | 4.28% | 3.1 | 0.73% |
米10年債利回り | 3.99% | 4.7 | 1.18% |
米2年債利回り | 4.03% | 7.2 | 1.81% |
為替市場
ニューヨーク外為市場では、経済指標の発表を受け円はドルに対して下落。記事作成時点でドル円は147円前半をつけています。
指標
VIX指数は大きな変化はなく、現在23.78を示しています。じわじわ下降してきており、投資家の間で楽観的な見方が広がっていることが伺えます。
Fear&Greed Indexは”恐怖”よりの”極度の恐怖”を示しています。
VIX指数と同様、幾分株式に対する不安が和らいだのでしょう。
まとめ
TDセキュリティーズの米金利戦略責任者、ジェナディー・ゴールドバーグ氏は、 「市場は9月の0.5ポイント利下げや会合間の利下げのリスクを警戒し続けるだろう。ただし、この両方に対する織り込みは最近の高水準から大幅に後退している」「より速いペースの米利下げも引き続き気がかり要因だ。米金融当局は2025年終盤までに金利が中立水準の3%に達するように、9月から毎会合で0.25ポイントずつ利下げを実施すると当社では見込んでいる」と述べています。
CME fedwatchが出している市場関係者の政策金利見通しは、利下げ確実がメインシナリオとしているようです。
問題は利下げペースで、現段階では0.25%&0.5%半々となっています。
そして重ねて申し上げますが、米国株や全世界株に投資している方は、今一度自分の投資戦略を考え直してみてください。
アメリカが想定以上の利下げを行ってしまえば、予想以上の円高になってしまう可能性があります。
そして株安&円高は外国株式に投資している方にとって、ダブルパンチとなります。つまり、想定以上に資産を目減りさせる危険性があるということです。
米国や全世界株に限った話ではなく、日本株にも同じことが言えます。
今週頭にあった日経平均の大暴落。リスク許容度以上の投資をしていると、それに慌てて狼狽売りをしてしまいかねません!
株は長期間持ってようやく平均利回り4〜7%くらいの年率に落ち着くのです。
しかし頭ではわかっていても、実際にその時が来れば不合理な選択を取ってしまうのが人間です。なので、「このお金は最悪失っても良いや」くらいの金額を投資するのがベターです。
せっかく自分で稼いだ大切なお金なのですから、目先の安易な選択で全てを失ってしまわないように、気をつけていきましょう!
私はインデックスを積立投資し続けていきます。そして、もう少し経ったら高配当株投資へ資金を振り向けよう、こういう戦略でいます。
皆さんも自分なりの戦略を立てて、投資をしていってください。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。