【衝撃のカラクリ】社長、なぜ「在庫が増えると利益が増える」のか知ってますか?
どうも、なおモンです。
突然だが、「在庫が増えると利益が増える」って言われたら、どう思う?
「いや、在庫が増えるってことは、売れてないってことだろ?むしろ利益は減るはずじゃん!」
俺も最初はそう思ってた。
だって、普通に考えたら当たり前だよな。
お金は出ていくのに、商品が売れ残ってる。手元のお金は減る一方なのに、なんで利益が増えるんだ?
でもな、会社の会計の世界では、この一見矛盾した現象が実際に起きる。
今日は、その「なんで?」を徹底的に解説していく。
知ってるか知らないかで、あなたの会社がピンチになるかもしれない、会計のウラ側の話だ。
会計と現金、この「ズレ」が全てを狂わせる
まず、根本的な話から。
俺たちが感覚的に考える「儲け」って、だいたい「入ってきたお金」から「出ていったお金」を引いたものだろ?
でも、会社の「会計上の利益」は違う。
「収益」から「費用」を引いて計算される。
ここで、厄介なのが「在庫」の扱いだ。
簿記の世界では、仕入れた商品も、売れ残った在庫も、すべては「費用」じゃない。
売れた分だけが「費用(売上原価)」になり、売れ残った在庫は「資産」としてカウントされる。
具体例で考えてみよう
1個100円の商品を5個仕入れた(現金500円支払い)。
でも、売れたのは3個だけだった(現金450円ゲット)。
俺たちの感覚だと…
450円(入ってきたお金) – 500円(出ていったお金) = -50円(赤字!)
でも、会計の世界だとこうなる。
売上高:450円
売上原価:3個 × 100円 = 300円(売れた分だけが費用)
売上総利益:450円 – 300円 = 150円(黒字!)
そして、売れ残った2個(200円)は「在庫」という名の「資産」として、貸借対照表に計上される。
どうだ?
手元のお金は50円減ってるのに、利益は150円の黒字。
これが、感覚と会計のズレだ。
「在庫が増えると利益が増える」と言われる、3つのヤバいカラクリ
このズレを理解した上で、冒頭の謎に迫っていこう。
1. 非経理部門の「誤解」
さっきの例で考えてみてくれ。
俺たちの感覚だと赤字なのに、経理部が出してきた数字は「利益150円」の黒字だ。
この差額、200円。
この200円って、期首から期末にかけて増えた在庫の金額(2個×100円)と一致するだろ?
だから、俺たちは「ああ、経理部が在庫の分を利益に足し戻したんだな!」って勘違いしちゃうんだ。
これが、「在庫が増えたから利益が増えた」っていう、最初の誤解を生む最大の原因だ。
2. 会計処理の「タイムラグ」
これも実務でよくある話だ。
たとえば、商品がまだ会社に届いてないのに、先に支払いを済ませた場合。
経理システムには「仕入れ」として計上されるけど、在庫管理システムにはまだ「在庫」として入力されてない、なんてことが起きる。
このタイミングのずれで、一時的に「仕入れは増えたのに、在庫が増えてない」という状態が生まれる。
すると、売上原価が不自然に小さく(または大きく)なって、見かけ上の利益が増減する。
だから、売上高が変わってないのに、なぜか利益が変動しているように見えちゃうんだ。
3. 製造業特有の「全部原価計算」
これはちょっと専門的な話になるけど、製造業ではもっと複雑なことが起こる。
製品を作るためにかかった固定費(工場の家賃とか)の一部を、完成した「製品(在庫)」に割り当てるんだ。
これを「固定費の在庫配賦」って言う。
どうなるかというと、在庫が増えれば増えるほど、その固定費の割り当て額も増える。
すると、当期の売上原価から除外される固定費が増えるので、その分、利益が大きくなる。
つまり、実際に売上が増えてなくても、在庫を積み上げれば、利益を増やすことができてしまうんだ。
社長、在庫の増減は「粉飾決算」や「脱税」の温床です
この会計の仕組みを悪用すると、非常に危険なことになる。
粉飾決算(利益の水増し):
売上原価を小さく見せるために、期末在庫を不当に高く計上する。
「使ってない機械」や「売れない商品」を、「在庫がある」って偽って計上するんだ。
銀行融資を通りやすくしたり、投資家からお金を集めるために、架空の利益を捻出する。これは犯罪だ。
脱税(利益の過少申告):
売上原価を大きく見せるために、期末在庫を不当に低く計上する。
利益を小さく見せて、払う税金を減らそうとする。これも犯罪だ。
あなたの会社は大丈夫か?
もし、経理担当者から「在庫が増えたので利益が増えました!」って言われたら、その裏側にあるカラクリをちゃんと理解して、何が起きているのかを把握しなければいけない。
【まとめ】見せかけの利益に騙されるな
「在庫が増えると利益が増える」という現象は、会計の仕組み上、確かに存在しうる。
でも、それはあくまでテクニカルな話だ。
本当に会社を強くしたいなら、見せかけの利益に一喜一憂するのではなく、手元の現金がちゃんと増えているか、そして在庫が健全に管理されているかに目を向けるべきだ。
経理や税務を他人に任せきりにせず、自分自身で会社の数字を理解しようとする姿勢こそが、社長にとって最も重要なスキルなんだぜ。


