今日の話題
自民党の茂木敏充幹事長が、「日本銀行は金融政策を正常化させる方向性を明確にすべきだ」との考えを示しました。
9月の総裁選に出馬する可能性も取り沙汰されている茂木氏は、22日に東京都内で開かれた講演で、「金融政策を正常化する方向で着実に政策を進める、こういう方針をもっと明確に打ち出すことが必要だ」と語った。
自民幹部が金融政策に公の場で注文を付けるのは異例のこと。
同じく自民党の河野太郎デジタル大臣も、先週ブルームバーグのインタビューで、「日銀は政策金利を上げる必要がある」「円は安過ぎだ。価値を戻す必要がある」と発言していましたね。
その際、急速に”円高”に振れる場面がありました。
茂木幹事長も河野デジタル大臣が発した今回の発言は、おそらく総裁選を見据えた”好感度稼ぎ”だと思います。
歴史的な円安も最初の頃はメリットばかりが取り立たされていましたが、今となってはコストプッシュ型インフレで、私たちの生活は苦しくなるばかりです。
そういった国内の事情を鑑みての、国民に向けた一種の「マイクパフォーマンス」に見えてしまいます。
ただ金融政策を決定するのは他でもない日銀です。(財務省の意向もあるんですかね?)
正直担当者でもない与党幹部が発言するのって、余計なお世話だと思います。
では、日銀はどうするつもりなのでしょう?
日銀は経済・物価情勢や市場動向を会合直前まで見極めた上で、最終的に判断する方針です。
日本で進行しているインフレは見過ごせない問題ですが、一方で個人消費が弱くなっています。
日銀の一部関係者は、「高水準の賃上げを背景に個人消費が想定通りに回復していくかを今後のデータや情報などで確認したい」とインタビューに答えているようです。つまり、消費が上向いて経済が盛り上がらないと利上げは難しい、と考えているということです。
※ただ私としては、このまま経済が上向くことなく物価だけ上昇するなら、日銀は利上げを実施すると思っています。
何はともあれ、来週30、31日に開かれる日銀政策決定会合で、全ては決まります。注目していきましょう。
ちなみに今時点でのドル円、1ドル=155円半ばとなっています。
有名企業TOB実施
説明不要の有名企業「トヨタ自動車」が株式公開買い付け(TOB)を実施して三菱UFJフィナンシャルグループや、東京海上日動などが持つ政策保有のトヨタ株を取得すると発表しました。すでにトヨタが設定している1兆円を上限とする自社株買いの枠を活用するという。
TOBを通じて2億9012万2345株の買い付けを予定、とのこと。
今回のTOBという名の自社株買いは、企業が取引先の企業や金融機関などと株式を持ち合う慣習の是正目的の側面が大きいです。
つい最近もトヨタがKDDIの株を売却するなど、資本効率改善の観点などから持ち合い株解消に向けた取り組みが急速し行われています。
ただ今回の大手金融機関による国内最大の企業であるトヨタ株放出の動きは初めて、とのこと。これから持ち合い株解消の流れは加速していきそうです。
ちなみに、自社株買いを行うメリットなんですが、一言でいうとEPS(一株あたり利益)の向上です。
「だから何?」と聞かれそうなので、もう少し踏み込んで話しますね。
皆さんに質問です。企業が稼ぎ出した利益は最終的に誰のものになるでしょう?
正解は?…「株主」ですね!
そうです。資本主義社会の株式会社において、会社の所有権も利益も全て株主のものなのです。
自社株買いをすることにより、株主が持っている株数に応じた利益配分が増えます。このことにより、企業としては「株主の皆様へ受け取れる利益を増やしました!」「株主への還元を強めてますよ!」といったアピールをすることができます。
これが企業が自社株買いを行う理由になります。
まとめ
日本の為替動向しかり、株の持ち合い慣習の是正しかり、日本を取り巻く環境が変わりつつあります。
しっかり時代の流れを把握しつつ、どのように太刀振る舞うか、自分なりの行動指針を定めて投資を行っていきたいですね。
今回は以上になります。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。