トピックとドル円
日銀が政策金利を引き上げる決定を下しました。
無担保コール翌日物金利を、従来の0-0.1%程度から0.25%程度に引き上げました。この水準は08年10-12月の0.3%前後以来です。
植田総裁は同日の記者会見で、足元の金利水準は非常に低いとした上で、「利上げは景気に大きなマイナスの影響を与えることはない」、最終的な金利水準に関しては「今回で二度目の利上げの影響を見つつ、歩きながら考える」と答えています。
それと同時に、国債購入の減額計画は、「これまでの月間6兆円程度を原則として四半期ごとに4000億円程度ずつ減額し、26年1-3月に3兆円程度まで圧縮する」、と発表しました。
長期金利が急激に上昇する場合は、機動的に買い入れ増額や指し値オペなどを実施する。必要なら決定会合で計画の見直しもあり得る、とのこと。
会見後の為替相場は多少動きましたが穏やかなものでした。ですが、欧州市場が参加したくらいの時間から急速に円高に向かい、一時150円台を切るまで円高に振れています。
記事作成現在、ドル円は150円前半となっています。
早速メガバンク普通預金金利引き上げ!
メガバンクの三菱UFJ銀行と三井住友銀行が円普通預金金利を現在の0.02%から0.1%に引き上げると発表しました。
金利が5倍になりました。(ネット銀行もこの流れに続いてほしいですね。)
2008年11月の0.12%に次ぐ水準となり、約16年ぶりの高水準とのこと。
三菱UFJは9月2日から、三井住友銀行は8月6日から適応開始になります。
株の状況
日経平均株価はここ数日調整局面を迎えていましたが、日銀の発表を受けて急騰!39.101円を付けて取引を終えてます。
メガバンク3行の株価は午前中は乱高下しましたが、利上げ決定の報道が出た後は上昇して、3行とも前日比プラスで取引を終えてます。
警戒が必要
日経平均も上昇、個別で見ても利上げの恩恵をもろに受ける銀行株も上昇してますが、懸念点がいくつもあります。
一つが為替レートです。本日(日本時間では日付を跨いだ8月1日)FOMCの発表が控えてます。おそらく政策金利は現状維持になると思いますが、9月の利下げに向けたポジティブな発言を、FRBのパウエル議長がしたら、さらに円高に振れるでしょう。
昨今の日本企業の業績を下支えしてきたのは、為替による影響が大きいです。その土台、前提である円安が崩れつつある現状では、企業業績は芳しくなくなるかもしれません。
業績が悪化すれば、当然株価にも悪影響を及ぼします。多くの上場企業の想定為替レートが140円台ということを考えると、それ以上円高が進行してしまったら、株価下落につながります。
今の現状ではそこまで急激に為替が動くことは想定し辛いですが、リスク要因として頭に入れておいた方が良さそうです。
二つ目が個人消費の低迷です。賃上げの流れができつつあるとはいえ、実質賃金は26ヶ月連続マイナス、上向く気配がありません。今回の利上げで為替も動き、多少コスト高による物価上昇は落ち着くかもしれませんが、影響が出るまで時間がかかります。
それに、変動金利が上昇することは多額の金融資産を持っている富裕層にとってメリットが大きい一方、庶民にはメリットが薄いです。
日本で住宅ローンを組んでいる方のほとんどが”変動金利”を選択しています。今回のような利上げがあると、支払う金利が増えてしまうローンです。
それに利上げをすると、時間をかけて長期金利も上がっていきます。それは固定金利の上昇にもつながり、新規に家や車を買う意欲が薄れてしまいます。
GDPの半分以上を占める個人消費が上向かないと、内需産業にとって痛手です。巡り巡って株価下落につながってしまいます。
3つ目は、企業の資金繰りの悪化です。
少し前に記事を投稿していますので、そちらも併せてご確認ください。
この記事で書いたことは政策金利を上げても同じことが言えます。
ひどい事態を想定すると、企業の連鎖倒産が起き失業率も上昇。そこまで行かないにせよ賃金がカットされる、こんなことが起こりかねません。
まとめ
株価は先行指標なので、いくら今後決算発表をして結果が良くても、先行き見通しが悪ければ株価は下落します。
今回の日銀の利上げは私としては予想外でしたし、今後も影響が至る所に出てくるでしょう。
大事なのは”今世の中で何が起こっているのかを正しく知り、対策をとっていくこと”だと思います。
それは「貯金を頑張る」とか「投資を始めてみる」といったことでも良いでしょう。
私はこのブログ、副業を頑張っていきます!
未来の先行きが不透明でも、たとえ暗くても、稼げる力があれば自分自身の力で切り開ける自信を持つことができます!
皆さんも何か一つでも良いので一歩踏み出してみてください。
以上何か一つでも参考になれば嬉しいです。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。